食物繊維はコレステロールを追い出す

コレステロール排出作用が強力なのは水に溶けるタイプ


 一時期は食べもののカスともいわれた食物繊維がいま、第6の栄養素、ダイエタリーファイバーとして注目を浴びています。食物繊維は便秘を防ぎ、大腸がんの予防に役立つということで見直されていますが、実はコレステロールを下げることでも重要な役割を果たしています。


 食物繊維には水に溶けるタイプのものと水に溶けないタイプのものがありますが、コレステロールを下げる作用については、水溶性のタイプが強い力を発揮します。というのも、水溶性食物繊維は腸のなかでコレステロールや胆汁酸を吸着して便と一緒に体外に排出してしまう力が強いのです。胆汁酸が排出されると、肝臓では新たに胆汁酸を作らなければならなくなり、そのために血液中のコレステロールを利用することになります。この結果、血液中のコレステロール値は下がることになります。


 水溶性の食物繊維は糖の吸収も抑えるので、中性脂肪もできにくくなります。

溶けないタイプも、不要なものを便と一緒に外に出す働きがある


 水に溶けないタイプの食物繊維も捨てたものではありません。このタイプは、腸のなかで便を作りやすくして、食べたものが長く腸内にとどまらないようにします。そうすることで、余分な糖や脂肪が腸から体内に消化吸収されるのを防ぎ、結果的に体内でコレステロールが作られるのを抑えることになるのです。

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