IPAとDHAはVLDLの過剰生産を抑える
動物性脂肪でも魚の脂肪のほうはコレステロールを上げることがありません。むしろ、血液をサラサラにすることで注目されています。
魚に多い脂肪酸はイコサペンタエン酸、略してIPA。一般にはエイコサペンタエン酸(EPA)ともいいますが、正式名はこちらです。ドコサヘキサエン酸(DHA)にも同じ働きがあり、こちらのほうは脳を活性化する働きもあるのではないかといわれています。
どちらも不飽和脂肪酸の一種で、具体的には血小板凝集抑制作用、すなわち血液のなかで血小板が固まるのを防ぐ働きがあります。さらに、肝臓のなかでVLDLの過剰生産を抑え、中性脂肪が増えるのを予防します。
青背の魚も塩干ものは要注意、切り身よりも尾頭つきを
IPAとDHAは寒流を泳ぎ回る魚に多く含まれています。IPAはとくに青背の魚に多く、イワシやサバ、アジは代表選手なのですが、気をつけたいのは、日本人が大好きな塩干もの。
不飽和脂肪酸は酸化しやすく、過酸化脂質はかえってからだによくありません。塩干ものは、一塩の薄味のもので新鮮なものを選びましょう。
ところで、魚にはタウリンというアミノ酸も含まれていますが、これは肝臓のなかでコレステロールが胆汁酸に分解するのを助けます。
IPAとDHA、タウリンを効率的にとるには、切り身ではなく尾頭つきがおすすめです。