くずれつつある理想の日本型食生活
日本型食生活がヘルシーといわれて久しくなりますが、最近はこの日本型食生活が存亡の危機にさらされています。というのも、脂肪の摂取量が増え、たんぱく質と脂肪、糖質の絶妙なバランスがくずれそうになっているからです。
脂肪のとりすぎが太りすぎと動脈硬化を招き、心臓病の原因になることは、アメリカで実証されています。そのアメリカが動脈硬化をなくすために掲げた目標が、当時の平均的な日本人の食生活と一致して日本型食生活が注目されたのですが、日本人はアメリカの人たちが減らしはじめた脂肪の摂取を増やし続け、いわば欧米型食生活のあとを追い続けてきました。
心臓病と深い関係がある脂肪のとりすぎ
ふつう総エネルギーを100と、脂肪は20~25の割合でとるのがよいとされていますが、日本人の場合、昭和63年以来、総エネルギーに対する脂質エネルギー比は25%を超え、平成2年には25.3%になってしまったのです。
そして、これと呼応する形で日本では心臓病による死亡が増えてきています。さらに、最近の調査では、日本人の若い層では、血清総コレステロール値も血清中性脂肪値も、アメリカ人より高いことがわかっています。
肉料理や脂っこい料理、バターたっぷりのトーストやケーキが好きな人は、脂肪のとりすぎに気をつけるべきでしょう。