穀物(ごはん、めん類、パン)

ごはんは小さめの茶わんを使う

ごはんの食べ過ぎはカロリー過多になりますし、栄養バランスが崩れ、栄養不足を招き、塩分の過剰摂取にも通じます。これは、肥満や高血圧には大敵ですが、習慣的につい過食しがちです。そこで、茶碗を小さな物に切り替えたり、おかずを薄味にするなど日常的に食べ過ぎを抑える工夫が必要となります。

でも、ごはんを急に減らすことは思ったより難しいと思います。以前、聞いたところによると、糖尿病の患者さんで医師からごはんは一日一膳と忠告されていて、その患者さんは一日一膳をどんぶり一杯と自分に都合よく解釈したという話がありました。茶碗の大きさや盛り付け方で、長い間に大きな違いが出てくるので、細心の注意が必要となります。

個人差や年齢差はありましが、バランス良い食事をしていると考えて、中年の主婦(私)の場合でごはんの量は、一日330グラムが適量です。これは茶碗で軽く三杯くらいです。先ほどの「どんぶり一杯」は400グラム以上はありますので、これではいけません。

どんぶり物は食べ過ぎの原因

どんぶり物はごはんをとても食べやすい料理ではないでしょうか。おかずを作る場合は、手間がかかって面倒でしかも高くつきます。それに比べ、どんぶり物は安上がりですし、美味しく満腹感も得られます。家庭料理でも外食でもついつい手を出しがちになります。しかし、穀物が主体になりますので、どうしても栄養的にアンバランスになってしまいます。

しかも、味付けを濃くするとさらにごはんが欲しくなります。そのため塩分の過剰摂取になり、エネルギー過剰にもなりますから、血圧の高い人や肥満気味の人は注意が必要になります。外食の時には、どんぶり物を食べないか、ごはんを残すようにしたほうが良いです。

家庭でどんぶり物を作る場合には、ごはんの量を減らし、薄味にしましょう。また、野菜、魚、肉などの豊富な材料をバランス良く使うようにしましょう。できるなら、どんぶり物の回数を減らしましょう。

一日一回はパン食も良い

ごはんを止めてパン食にしたという方がいらっしゃいます。それはパン食の方が体のために良いと思っているらしいのですが、一概にはそうとも言えません。ごはん一膳よりも食パン一枚の方が塩分をかなり多く含んでしますし、たんぱく質を比べてみても小麦よりお米の方が質が良いのです。これではパン食の良いところが無いように思えますが、パン食にも良いところはあります。

パン食にした場合、ごはん向きのおかず(みそ汁、漬け物、煮物など)を添えて食べたのでは意味がありませんが、パンには牛乳や卵、生野菜がよく合います。これらの食品は毎日でもとりたいものですが、ごはんの時には中々食べられない食品です。そういう意味でパン食を取り入れることは大変良いことです。しかし、バターやジャム、紅茶やコーヒーばかりでは栄養的にマイナスになってしましますので注意が必要です。パン食にした場合は、あくまでもバランスのとれた副食を優先して食べたいものです。

そば一杯だけでは栄養不足

昼食を外食ですます人が増えています。やはり外食は手軽にとれますし、昼食に時間をかける習慣は、欧米とは違い日本にはありません。それに最近のような物価高では、昼食代を節約するようになってきて、とにかく空腹を満たすだけのメニューを選ぶことになり、めん類などで簡単にすますケースが多いようです。

ごはんに醤油だけをかけて食べる人はいないと思いますが、盛りそばの場合は、こういった食事とどのような違いがあるのでしょうか。そばやうどんなどは、それ自体は穀物ですから、それだけを食べた場合は栄養的にアンバランスになってしまいます。例えば、たぬきうどんなども小麦粉を油で揚げた揚げ玉を入れたものですし、また、野菜や肉の入ったものも絶対量が少ない場合が多いのが現状です。たんぱく質としても不十分と言えます。

そこで、ゆで卵を(できれば)持参するとかトッピングするとか、牛乳を飲むなどして、たんぱく質を補強するよう工夫します。果物もとるようにできれば良いです。

そばの食べ過ぎは塩分に注意

めん類にはコレステロールや飽和脂肪酸はあまり含まれていません。と言っても、そばやうどんを安心して食べ過ぎると、塩分の取り過ぎになるので注意が必要です。

そもそもめんには、それ自体に塩分が含まれています。味付けしないものでも、一人前には約1グラムの塩が入っています。しかも、ダシの中には醤油が約20cc、塩分に換算すると約4グラムも入っています。そば一杯のめんと汁を全て食べてしまうと、合計5グラムの塩分をとることになってしまいます。塩分は通常一日の摂取量を10グラム以下に抑えたいものですが、そば一杯を全て食べてしまうと、その割合は相当なものになります。塩分を取り過ぎないようにするには、汁は残すとか、かけそばより具の多い鍋焼きとか、ざるそばにして汁を抑えるなどの工夫をしたいものです。

店屋物に栄養的考慮は無い

店屋物は、店の経営を成り立たせなければならないので、お客の満足感などに力を注ぐのが一般的です。そのため、どうしても高カロリー、満腹感、味が良い、見た目が美しいなどのものを作ろうとして、栄養的な考慮にまでは手が回らないのが多いものです。

そこで、どうしても外食となる場合は、次のことを頭に入れて選ばれたほうが良いです。比較的お勧めできる料理は、定食風のもの、天ぷら、鶏肉料理、魚の揚げ物や蒸し物、豆腐料理、野菜炒め、サラダ類。その逆に避けたい料理は、どんぶり物、チャーハンやチキンライスなどのごはん物、めん類、寿司などです。これらは穀物が主となっていて塩分も多くなっています。また、あぶら身の多い肉やバターを使っているシチューやカレー、グラタン、ポタージュも避けたいものです。

インスタントラーメンは避けたい

インスタントラーメンは、その登場以来、品数もぐんぐん増え、あっという間に日本中の家庭をファンにしてしまいました。さらにカップラーメンとして、調理(?)もお手軽になり、ファン層は広がるばかりです。

しかし、このインスタントラーメンの原料は大部分が小麦粉なので糖質以外の栄養素が少なく、優秀な食品とは言えないのが現状です。添付されただしも塩分が非常に強く、食塩が5グラムも含まれています。栄養価のほうは、少ないながらもアミノ酸など補強をしているようです。

めんの場合、油で揚げているので、穀類の中では脂肪の含有量が例外的に高く、当然ながらエネルギーも多くなっています。一人前で約400キロカロリーは軽くとれます。これはコレステロールを上げる要因になりますし、揚げ油の古くなると毒性を持ち、下痢を起こさせますので、お手軽とは言え避けたほがいいでしょう。