昨今は、「どうしたらやせられるか」という類の、いわゆるダイエット本が、書店にズラリと並んでいます。
なぜそんなにやせる必要があるのかというと、肥満によって引き起こされる高血圧、動脈硬化、糖尿、肝臓などの病気が多いことと、特に女性の場合、すっきりとした体で美しくありたいとの願いがあるからでしょう。 |
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とはいえ、せっかくやせられたとしても、健康が増進されず、美しくもならないとしたら、なんの意味もなく、かえって逆効果です。 |
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やせることばかり熱中していると、ついこの本来の目的を忘れてしまいがちです。肥満は、体内に取り入れすぎた炭水化物や糖質が脂肪に変わり、皮下脂肪として蓄積されたものです。
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ですから、炭水化物や糖質が、脂肪細胞に変わろうとするのを邪魔してやれば、肥満の予防になり、また、脂肪細胞ができてしまったら、これを分解してしまえばよいわけで、この両方の働きをもっているのがお酢なのです。 |
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また、肥満には、いわゆる「脂肪太り」のほか、体に余分な水分がたまっている「水太り」体質の人もいます。お酢には利尿効果もあるので、水太りの解消にもなります。 |
米酢は、もちろん米を原料にして造られるお酢ですが、一つやっかいな問題があるのです。それは、1リットルに40グラム以上の米または酒粕を使えば、あとは醸造用アルコールを混入したものも堂々と米酢と表示できることです。さらに、米からアルコール(日本酒)を造り、それを発酵させて米酢を造るには、酒税法による規制で「もろみ製造免許」が必要なのです。
このような理由から、市販の米酢には、原料として米だけを使った「純米酢」と、そうでない「米酢」があるのです。値段は安くなりますが、米酢は、純米酢に比べ内容成分も風味も劣っていると思われます。本来の「米酢」のよさを活用するためには「純米酢」を使用したほうが賢明です。
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リンゴを原料にリンゴ酒を造り、それを酢酸発酵させて造るリンゴ酸が豊富な果実酢です。わが国でも、最近ではその風味が好まれて愛用者が増えていますが、本場はなんといってもアメリカです。
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保存中のブドウ酒(ワイン)が、自然に酢酸発酵したのがはじまりの歴史の古い果実酢です。フランス語の酢、ビネーグル(VINAIGLE)は、ワイン(VIN)と酸っぱい(AIGLE)を一つにした言葉で、英語のビネガーも同じ意味です。ワインの名産地は、お酢の産地でもあり、ヨーロッパではこのお酢が一般的です。
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麦、麦芽を原料とするお酒といえばビールです。ですから、モルト酢もヨーロッパのビール名産地の多い北部地方で造られ、使用されています。アミノ酸が豊富で、コクのある酢として人気が出はじめています。
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米酢とともに、わが国独特の酢で、外国では見られません。米酢より歴史は新しく、江戸時代末期頃に考案された方法といわれています。日本酒を造った残り粕を原料とすることで、安くて簡単に酢を造ることができ、おかげで庶民にも、よりいっそう手軽にお酢が利用できるようになりました。
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