お酢が体によい理由の一つに、「クエン酸回路(クレプス回路)を円滑にする」という特徴があります。
このクエン酸回路というのは、私たちの体の中に入った食べ物は、デンプンはブトウ糖に、タンパク質は各種アミノ酸に、脂肪はグリセリンと脂肪酸に分解(消化)されます。消化されたこれら分子が、酸素とクエン酸の力で燃焼してエネルギーとなり、体のあらゆる活動の原動力になっているわけです。 この燃焼活動の段階で、クエン酸はイソクエン酸、オキザロコハク酸と、次々に違った酸に変化し、最後に再びクエン酸に戻ります。 |
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これをクエン酸回路、あるいは発見者の名前からクレプス回路というのです。
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栄養のバランスがくずれたり、体力が落ちてクエン酸回路が円滑に回らなくなると、栄養素が不完全燃焼、残った燃えカス(ピルビン酸)が乳酸に変化して、体にさまざまなトラブルを引き起こすのです。 |
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そうしたトラブルの一つに神経痛があげられます。まず、乳酸が筋肉にたまると、その部分の筋肉が硬くなり、神経痛を出やすくします。また、ピルビン酸自体も神経をマヒさせる作用をもっているのです。 |
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ですから、神経痛を緩和、解消していくには、クエン酸回路の活動を正常にし、悪役である乳酸やピルビン酸の出番を抑えることが大切になります。
お酢には、生体活動のカギとなる、このクエン酸回路の活動を活発にさせる働きがあるのです。 そればかりではありません。お酢には血液を弱アルカリ性にして、血のめぐりをよくする働きもあります。神経痛は血行障害の一種ともいわれていますから、この点からもお酢は有効と考えられます。 |
米酢は、もちろん米を原料にして造られるお酢ですが、一つやっかいな問題があるのです。それは、1リットルに40グラム以上の米または酒粕を使えば、あとは醸造用アルコールを混入したものも堂々と米酢と表示できることです。さらに、米からアルコール(日本酒)を造り、それを発酵させて米酢を造るには、酒税法による規制で「もろみ製造免許」が必要なのです。
このような理由から、市販の米酢には、原料として米だけを使った「純米酢」と、そうでない「米酢」があるのです。値段は安くなりますが、米酢は、純米酢に比べ内容成分も風味も劣っていると思われます。本来の「米酢」のよさを活用するためには「純米酢」を使用したほうが賢明です。
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リンゴを原料にリンゴ酒を造り、それを酢酸発酵させて造るリンゴ酸が豊富な果実酢です。わが国でも、最近ではその風味が好まれて愛用者が増えていますが、本場はなんといってもアメリカです。
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保存中のブドウ酒(ワイン)が、自然に酢酸発酵したのがはじまりの歴史の古い果実酢です。フランス語の酢、ビネーグル(VINAIGLE)は、ワイン(VIN)と酸っぱい(AIGLE)を一つにした言葉で、英語のビネガーも同じ意味です。ワインの名産地は、お酢の産地でもあり、ヨーロッパではこのお酢が一般的です。
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麦、麦芽を原料とするお酒といえばビールです。ですから、モルト酢もヨーロッパのビール名産地の多い北部地方で造られ、使用されています。アミノ酸が豊富で、コクのある酢として人気が出はじめています。
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米酢とともに、わが国独特の酢で、外国では見られません。米酢より歴史は新しく、江戸時代末期頃に考案された方法といわれています。日本酒を造った残り粕を原料とすることで、安くて簡単に酢を造ることができ、おかげで庶民にも、よりいっそう手軽にお酢が利用できるようになりました。
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